ここでは、空調服が身体を冷やし、涼しく快適な状態を作り出すそのメカニズムや効果について、見ていこうと思います。
「生理クーラー」とは
人間は皮膚の表面や体温の上昇などをセンサーとして、「暑い」と感じた時に、身体の制御装置である脳が汗を出すように身体に指示します。
このように、人間には自然に汗を出して体表面を冷やし、体温が上がり過ぎないようにする「生理クーラー」とも呼ばれるような機能が身体に備わっています。
気化熱とは
汗は空気に触れて蒸発する時、同時に身体から熱を奪います。
この、液体が気体に変わる時の熱量を「気化熱」といいます。
汗をかいたあと、うちわであおいだり扇風機にあたると気化熱を奪われる事で体表面から熱を奪われ、私たちは涼しさを感じます。
ただし、人間は身体の表面に汗をかきますが、それを自分で気化させる機能は持ち合わせていません。
特に夏場において作業服など、長袖であったり通気性の悪い服を着ていると、かいた汗が蒸発せずに服の内側にこもったままの状態になります。
その結果、体表面の熱が下がらず、暑苦しく不快な状態が続いてしまいます。
空調服の効果
空調服は、取り付けられたファンによって身体の内側へ大量の空気を送り込みます。
送風された空気は首元から抜ける事で、身体と平行に服の内側を通り抜けます。
これによって、かいたまま残った汗が気化熱として蒸発していき、体表面の温度が奪われ身体を冷却してくれます。
つまり、空調服は汗を完全蒸発(生理クーラーが効いている状態)させて、涼しく快適な状態を人工的に作り出す服なのです。
まとめ
気温や湿度および運動や作業の内容、また個人の体力や体質・その日の体調によっても、暑さを感じる度合いや、汗をかく量も変わってきます。
しかし、空調服は一般の作業服よりもはるかに広い環境下において、身体が涼しく快適な状態をキープします。
快適な状態を維持することで作業の質や効率がアップし、会社のコスト削減にも貢献できます。
また、熱中症など身体の様々な不調も防ぎ、身体への負担も減らすことで、働く人の健康維持にも大いに役立つでしょう。