毎年夏になるとテレビのニュースでは、熱中症で今日は何人の人が倒れて救急搬送されたなどと盛んに報じられたり、天気予報や情報番組などでは、熱中症にならないための対策がたびたび紹介されるようになってきました。
熱中症に対する社会の認知度は毎年どんどん高くなってるように思います。
ですが、そもそも熱中症ってなに?と聞かれて、うまく答えられなかったり、最近よく聞くものの、具体的にどんな状態の事を言うのか分からないといった人も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、そもそも熱中症とは?という最初の所から、熱中症の基礎知識についてあらためて見ていこうと思います。
熱中症
熱中症とは、ひと言でいえば蒸し暑い環境の中で生じる、身体のさまざまな異常のことです。
私達は通常、暑い所にいたり運動したりすると体内に熱を生じますが、汗をかく事によって身体を冷やし、体温を一定に保つ事ができます。
ところが、あまりに暑い環境にいたり激しい運動をしたり、また、汗をかいたあと失った水分や塩分を補給しないままでいると、身体の中の調整機能がうまく働かなくなり、どんどん体温が上昇してしまいます。
その上で、めまい・頭痛・吐き気・けいれん・失神など、目に見える形で身体にさまざまな障害が現れます。これが熱中症です。
軽度であれば現場の応急処置のみで対応・回復させる事もできますが、重症化した場合、身体のさまざまな部位に後遺症が残ったり、最悪の場合は死亡に至ります。
地球温暖化等により夏の気温がどんどん高くなっており、日本では近年、熱中症になる人が増加しています。
厚生労働省など国のデータによると、2010年夏には、全国で熱中症により救急搬送された人は約56000人、死亡した人は約1700人に上っています。
具体的な症状
熱中症の症状は、程度によって以下のように分類されます。
ただし、あくまでも各段階でよく見られる症状を分類したものであり、軽症に分類されている症状だとしても、重症でないとは限りません。
I度(軽症・現場で対処可能な状態)
- めまい、立ちくらみ、顔のほてり、手足のしびれ、一時的な失神
- 頭痛、疲労感、筋肉痛、筋肉のけいれん、手足がつる(こむら返り)
- 血圧低下、皮膚蒼白
II度(中等症・速やかな医療機関への受診が必要)
- 全身の倦怠感、虚脱感、頭痛、吐き気
- 発汗の異常(大量の発汗、または全く汗が出ない状態)
III度(重症・入院や集中治療が必要)
- まっすぐ歩けない、ふらつく
- 自分で動けない、水分補給ができない
- 高体温、皮膚が赤く乾く
- 意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)
- ショック状態
このうち、II度・III度は救急搬送が必要とされています。
特にIII度の場合は致死率が30%に至るという統計もあり、危険な状態です。
まとめ
熱中症の症状は、短時間のうちに変化する場合があります。
患者から目を離さず経過を観察し、容態の変化を見逃さないようにしましょう。
異常に気付いたら速やかに処置を行う事で、重症化を防ぐ事ができます。
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