普通に洗濯機に入れてもいいの?
このように、空調服(ファン付き作業着)をすでに購入した、もしくは購入を検討しているものの、空調服をどうやって洗ったらいいのか、疑問に思ってる人も多いのではないでしょうか。
ここでは空調服の洗濯方法について、素材や汚れの種類に応じた洗い方のポイントなども押さえながら、詳しく見ていきます。
空調服を洗濯する上でのポイント
空調服を洗う上でのポイントを簡単にまとめると、以下の通りです。
- 部品を外した上で、洗濯機で洗うことが可能
- ファン等の電気部品は必ず取り外す
- タグの洗濯表示に従う
- 洗濯後、乾ききってから部品を取り付ける
- 2着以上で使いまわすのが効率的
部品を外した上で、洗濯機で洗うことが可能
空調服は、ファンなどの電気部品を外せば、普通の家庭用洗濯機に入れて洗濯できます。
ただし後述するように、服の素材や汚れの種類・程度などに注意しましょう。
ファン等の電気部品は必ず取り外す
空調服に取り付けてある2個のファンやケーブル・バッテリー等の電気部品は必ず取り外しましょう。
当然ですが、それらを付けたまま洗ってしまうと、故障の原因となります。
タグの洗濯表示に従う
主に服の裏側などに付いている洗濯表示のタグには、空調服を洗濯するのに適した方法がマークで記載されています。
表記に従って洗いましょう。
洗濯後、乾ききってから部品を取り付ける
空調服を洗濯後、生乾きで半分濡れた状態のままファンやバッテリー等を取り付けると、故障する可能性もあります。
きちんと乾かしてから装着・使用しましょう。
2着以上で使いまわすのが効率的
暑い時期の作業においては、毎日空調服を利用することになると思います。
作業内容にもよりますが、衛生面を考えると、汚れたらなるだけこまめに洗っておきたいですね。
しかし一着しか持ってないと、その日の作業が終わってから洗っても、翌朝にはまだ乾かないという場合も。
また、同じ服をずっと使っていると傷みも早く、作業で破損した場合やひどい汚れがついてしまった時など、翌日の作業には使用できなくなる可能性もあります。
そういった場合に備えて、夏場はできれば2着以上、空調服を用意しておきましょう。
交互に使用して洗濯しながら、使いまわしていくのが賢い利用法と言えます。
空調服の素材別・注意ポイント
空調服の素材は、綿・ポリエステル・綿とポリエステルの混紡、などが主なものです。
また、直射日光に含まれる紫外線や赤外線をカットするために、裏地に「チタン加工」を施した空調服もあります。
それぞれの素材の服において、洗濯する場合に注意する点をまとめてみました。
なお混紡の場合、綿かポリエステルのうち、より多い割合で含まれている素材で考えてみましょう。
綿素材の空調服
綿素材の空調服を洗濯する場合、以下の点に注意が必要です。
- 2~3%程度、縮んでしまう → 服の中で風が通りにくくなり、効果が落ちる
- シワが付きやすい
- 色落ちしやすい
このため、
- あらかじめ、やや大きめのサイズを購入
- 特に最初のうちは、白い衣類と一緒に洗うのを避ける
こういった対策が必要になります。
ポリエステル素材の空調服
ポリエステル素材の空調服は、耐久性が高く洗濯に強く、乾きやすいのが特徴。
綿素材のようには縮んだりせず、色落ちもしにくく、シワにもなりにくいです。
なので、購入時に縮みを考慮する必要はありません。
ただし、服の中に風を通して使うものなので、キツめよりは少し余裕のあるサイズを選ぶ方が得策です。
デメリットとしては、汚れや臭いを吸着しやすいことが挙げられます。
なので、洗浄力の強いアルカリ性洗剤を使ったり、こまめに洗濯すると良いでしょう。
また、耐久性が高いとはいえ、乾燥機で高温で乾かすと繊維が溶ける恐れも。
乾燥機を利用する場合は、30℃程度に設定するのが無難です。
タグの洗濯表記を見た上で、傷まない状況下での洗濯・乾燥を行いましょう。
チタン加工の空調服
金属の一種、「チタン」を特殊コーティングした裏生地を採用している、チタン加工の空調服。
赤外線・紫外線をカットし、遮熱効果が高く温度の上昇を抑えられます。
直射日光にさらされる、屋外での作業に適します。
チタン加工は摩擦および洗濯には弱く、傷つきやすいのが特徴。
洗濯を繰り返すことで、加工部分が徐々に剥がれてしまいます。
チタン加工の空調服を長持ちさせるには、加工された裏地を守るため、洗濯の際に以下の点に留意しましょう。
- ファスナーを閉じ、洗濯ネットに入れて洗う
- 洗剤のつけ置きや、手洗いは避ける
- 弱アルカリ性の洗剤を使用
- 塩素系・酸素系の漂白剤は使わない
- タンブラー乾燥機は使わない
汚れの種類別・空調服の洗濯方法
ひと口に「汚れ」と言っても、空調服に付いた汚れによって様々な種類があります。
ここでは、汚れを「水溶性」・「不溶性」・「油性」に区別し、それぞれに応じた洗い方を見ていきます。
水溶性の汚れ
空調服を着ている本人の汗や、休憩時に食事を摂る際に付くスープ・果汁・砂糖・醤油等々の様々な飲食物や調味料といった、水に溶けやすい汚れを指します。
たいていの汚れは、通常の洗濯で落とすことができます。
目立つシミを消したい時は、薄めた中性洗剤を歯ブラシなどに付け、シミの上を軽く叩くようにして落としましょう。
不溶性の汚れ
砂や土ぼこり・泥・鉄粉など、水や油に溶けない汚れを指します。
これらの汚れが付いたまま洗うと、濡れた服の繊維のすき間に汚れが入り込み、さらに落ちにくくなります。
洗う前に汚れを乾かし、ブラシ等で汚れを払っておくのがポイントです。
手順は以下の通りです。
- 付着した汚れを乾かす
- ブラシ等で、汚れを払い落とす
- 洗濯用の石鹸で、汚れている箇所を重点的に洗う
- 洗濯機で通常通りに洗濯
油性の汚れ
空調服を着ている人の皮脂・作業で使用する機器や工具や素材に付いた、グリスやオイル等の油・塗料など、油分を含む物質による汚れです。
油性の汚れは、「高い水温」と「アルカリ性洗剤」での洗濯が効果的。
固着した油分は、60℃程度で溶けだします。
また、油性の汚れは「酸性」のため、反対の性質のアルカリ性の洗剤を使うと、汚れが中和されて落ちやすくなります。
手順は以下の通りです。
- バケツに、アルカリ性洗剤を溶かした60℃程度のお湯を用意
- 空調服を入れて、2時間程つけ置きする
- それでも落ちない汚れは、洗剤を付けたブラシでこする
- 軽くすすいだのち、洗濯機に入れ40℃程度のお湯で洗う
まとめ
以上、空調服の洗濯方法について、素材や汚れの種類についても言及しながら紹介してきました。
作業内容にもよりますが、空調服は涼しいとは言え終日作業すれば汗もかくし、ひどい汚れも付きものですね。
作業環境を清潔に保つためにも、やはり暑い時期にはあらかじめ複数着用意しておき、いつでも洗濯できたり替えがきくよう上手くローテーションしながら、使いまわしていくのが賢明な方法かと思います。